2012-01-01から1年間の記事一覧

「初級者」と呼ばれて

私は弓道二段を所持している。 弓の段位の高い低いはある程度その人の実力を証明する免許みたいなものである。 ことは、私が所属する自治体の弓連の会長さんがたまたま道場に来た時の話である。 会長さんがご丁寧に教えてくれるのだが、やたら「初級の頃は、…

団藤重光死去

赤門の近くのある団藤先生の家にお邪魔して、そこから上智大学での講演会にお供したことがある。 先生は腰が悪かったので、大学の前につくとすぐに車いすにお乗り頂き、 それを押したのが懐かしい。 かれこれ六年前の話である。 家の玄関先では奥様がお見送…

梅雨

梅雨入りした。 弓にとって大敵である湿気の到来である。 湿度計が常に100%を行ったり来たりしている。 新弓は使えないし、枯れた弓を出して使うことにした。 どうにも秋口くらいには冴えない弓だと思っていたやつも、 こうして水気を吸収すると往時の潤い…

序文

小説家がもっとも表現に窮するのが序文であるという。 いうなれば第一声になにを持ってこようか思案する演説家と同じ悩みをかかえているのである。 まっ、そんなことはどうでもいいが。 今日も弓の話題。 さいきんスラムダンクを読み返した。 完全版だったの…

三人

ひさしぶりに弓の試合に出た。 三人一組の団体戦で、一二射×三人、計三六本の勝負である。 かれこれ一月ほど三人で練習を重ねたが、これが見事に失敗の連続である。 どうやっても一二分の七本が最高なのである。 三人の意識には同様の停滞感が流れていた。 …

授業

ひょんな機縁から大学で授業をすることになった。 二回だけだけどね。 近代の病理を説明するというもので、二週にわたり病人の誕生や医原病などをテーマにお送りした。 準備に何十時間とかけたんだが、いざ教壇に立つとあっさりと予定していた内容が終わって…

おじの病

おじさんが胃がんで胃の三分の二を切除したと母から連絡があった。 ブログには楽しいことばかり書きたいが現実はそうもいかない。 おれも胃酸を抑える薬を服用しているから無縁ではないし、 看護師をやっている母はうちはがん家系ではないと信じていたからな…

四階のデヴィッド・ボーイ

マンションの六階に住んでいる。 ある日エレベーターで下に降りていると四階で一度停まり、 サングラスをしたきゃしゃなおじさんが乗り込んできた。 香水の匂いをぷんぷんとさせ、よほど直毛なのか長い聳えた角刈りに、 薄手のスーツに色気たっぷりの黒ネク…

アッティラと名前

さいきん知り合った人と友達の彼女の名前が一字違いでよく間違えて呼んでしまう。 間違ったのを悟られまいとするから、 「○ちゃん…(あっ、間違えた)、えーと、○○さん」と言い直すことが三回くらいあった。 その彼氏もさいきんできた知り合いと友達で、三人…

メンヘラとは

最近メンヘラってよく言いますよね。 メンタルヘルスをやんでいる人のことらしい。 この不確実性の時代に生きていると、たとえば明日テロで死ぬかも知れない、 歩道を歩いているのに自動車がつっこんできて死ぬかも知れない、とか色々想像することがある。 …

横槍と○流

こないだ道場に来ていた二〇歳くらいの弓引きがいた。 近所に住んでいるのか、大学の弓道部が改装中なのか知らないが、 わざわざ市民道場に出張って弓を引いている。 いいことじゃないか、友達も連れずに一人情熱を持って弓の練習に来ているわけだから。 弓…

雑感

弓二張りを肩入れできたらその半分の弓力の弓を使う、という話をよく聞く。 某先生に「20キロを引くんならその倍の弓力を肩入れ出来なきゃあかん、はたして君にできるか」 ということを言われて日頃の反骨心からか、「40キロくらいラクに肩入れできますよ」…

老いとは

縁があって京都大会を観戦することができた。 緑色の大会冊子を読んでいて二〇〇〇人のいる射手の中で「この人は…」という弓引きがいた。 むかしDVDで射を拝見して凄いと前々から思っていた人だった。 観客席の人混みで背伸びをしてずっとその人の登場を待つ…

弓力

さいきん腹が出てきた。 間違いなく出てきた。 体全体が大きくなるのではなくて、腹だけが出てきた。 いつの間にか中肉中背のおっさん化してる。 肉体改造の一環で、とりあえず太ろうとしていたら腹だけ出てきた。 夏は過酷な修行に励もうと思う。 弓に関し…

ブランク

弓を再開して気がついたら二年間が経っていた。 もうそんなになるんだね。 高校を卒業するときに買ったグラス弓がまったく引けなくてびっくりしたのも過去の話。 近所の山の中でヤブ蚊にさされながら素引きしていたのが懐かしい。 うーむ、いまそんなガッツ…

銭湯

近所の銭湯に行ったときの話。 番台から男女の脱衣所両方が見える銭湯ってありますよね。 好々爺とかおばあちゃんが座って勘定をやるイメージがある。 その銭湯では若い旦那さんがお勘定やるから、 いつも男湯の脱衣所から番台の脇に立ってお金のやりとりし…

軍艦島弓道場

このあいだ帰省したときに高校の頃もらった古い弓道誌を読み返していた。 その頃はたいして興味がわかなかったが今になるとおもしろいもので、 実家からまとめて宅急便で送ってもらった。 昭和46年10月号の地連のたよりに軍艦島弓道場の報告がある。 「東支…

偶感

ひさびさ弓の話。 今度の試合に備えて猛烈に練習しすぎて疲れが取れないまさかの衰え。 先週一日150~200射を敢行したらそのアフターで今週にまで疲れが残った。 なんか腹が浮いてUPUPした引き方になる。 素人じゃあるまいし、かっこうわるい。 さいきんあん…

腕立て伏せ

ひさしぶりに森茂夫六分五厘を引いた。 竹弓には竹矢が断然相性がいい。 それでも狙ったところになかなか中らない。 夜間でよく見えなかったが、四射目ぐらいが九時に的中したがどうも斜めに矢が飛んで行っている。 案の定、次の射では九時に抜けた。 弱い弓…

ブリタニカ百科事典、書籍版244年で幕

ブリタニカの版権が英国から米国に移ったのは第二次大戦前らしい。 最盛期の売り上げが日本でバブルの頃の1990年前後。 全世界で17万部ほどの売り上げ。 浩瀚な事典で、日本円で20万円超するものだから売れたほうなのかもしれない。 最新の売り上げが8500部…

鈍弓

道場の先生から弓をお借りしたが銘がかすれていて読めない。 「わしが15年ほど前に使うとうた弓や、もう何年の放ってあるしちょっと強いから引いてみいや。 鈍弓やけどな」 二寸伸び六分五厘くらい。 弓に巻いてあった古い弦を張り張り、成りをみる。 ちょっ…