鈍弓

道場の先生から弓をお借りしたが銘がかすれていて読めない。

「わしが15年ほど前に使うとうた弓や、もう何年の放ってあるしちょっと強いから引いてみいや。

鈍弓やけどな」

二寸伸び六分五厘くらい。

弓に巻いてあった古い弦を張り張り、成りをみる。

ちょっと洋梨型。

今日すぐには引けないだろうし、弓立てにかけておいたら、

バン!!

っと破裂音がして、弓が三メートルくらい吹っ飛んだ。

まさかの弦切れ。

そんなことあるんだね。




何日か弦張り・外し、肩入れしたらなるほど昔使ってた鈍弓に引き心地がそっくり。

A-のぺちゃぱいの裏反り。

弓力の割に分はちょっと厚い気がする。

さらに何日かして巻き藁へ。

うう、固い。

骨が両サイドから押しつぶされる感じがする。

一応矢は飛んでくれそう。

いざ的前。

竹矢はけちって2117で試射。

失中。

上に20センチ。

ああ、やってもうた。

もう一度。

真上。

これだけ下狙ってもこれかあ。

弓手ぬけてるんじゃない?」

と友達に言われ、ちょっとイラッとして、「うらぁ!!」と押し込んで的中。

しかし、射手の手の内の不正により17キロくらいの矢勢しかない。

鈍弓は意外に雨の日に矢息が良かったらするから不思議である。

こんどは雨の日にやってみようか。