弓力
さいきん腹が出てきた。
間違いなく出てきた。
体全体が大きくなるのではなくて、腹だけが出てきた。
いつの間にか中肉中背のおっさん化してる。
肉体改造の一環で、とりあえず太ろうとしていたら腹だけ出てきた。
夏は過酷な修行に励もうと思う。
これだったら25キロくらい楽勝で引ける。
あんまりあそびが出来ても勉強にならないから、弓力あげようと思う。
今日弓具屋さんに会って28キロの弓を見せてもらった。
現金特価で10万って言われたけど、さいきん飲み過ぎで金がない。
うーん、どうしよう33キロで同じ値段なら買ったかもしれない。
弓師もそのくらいの弓力になると特別に力を入れないとつくれないらしく高くなる。
30キロ買っても竹だと弓力はある程度落ちる(落ちないようにするのが職人の技らしい)が、
ふつう最終的には20キロ台に落ち着いてしまう。
30キロ引いてるとかいってバネ計りにかけて28キロしかないとか格好のつかないことになると、
どうにもバツが悪いから33キロくらいでどうでしょう。
梅雨前に買うか、秋口に買うか、どうしよう。
パソコンと一緒で買おうと思ったときが買い時か。
でも射手の手の内の不正のせいであんまり裏反りの深い弓ではないほうがいい気がする。
おれそんなに上手くないし。
あるとき一寸二分くらいの弓を引いてる人にあったことがあるけど、その人ぜんぜん引けてないのよね。
二〇一五の矢を使って一九キロの矢息もないのよ。
それで「寸弓や」ってドヤ顔する人だったから、
なんともなくこの人とは友達になれないという気がした。
強い弓引くって大変なのよね。とりあえず練習、中らなくても練習、引けてないとか言われても練習、
弓力に見合った矢息がないと言われても練習、会がないとか言われても練習、
人一倍練習しても、強い弓を使いこなすのにはまだまだ練習量不足だからまた練習、
その繰り返しを愚直にできるロックな阿保しか強い弓ひけない。
ドヤ顔してた人は、射場が空いてるのにのんびり道場の人間と弓談話してるのが一番あかんかったわ。
喋る前に引かなあな。
喋るのは弓引けなくなるがたがたの体になってからでいいがな。
そうなるまでの時間は無駄にしたらあかんよ。
ま、日々これ精進ってことで、明日も練習しましょ。
弓はお財布と相談しよ。