容貌

高校の同級生と先輩に遇う。

彼らとの何年振りかの再開の第一声が、まったく変わっていないな、であった。

小生は年相応に見られないことのほうが総じて多い。

碌に言葉も交わさないうちの挨拶がそれであるから、

それは小生の外見においての変化がない、ということなのだろう。

高校卒業からはや伍年。

なんども最初の科白を繰り返す彼らとの会話を経つつも、

思考は記憶の輪廻の中へと回想をはじめる。

以前の自分はどんな人間であったか。

あれから一寸も変わらないということを逆手にとればすなわち、

若返っている、ということになる。

容貌に表れたる逆現象について思いを馳せた或る日。

時間は止まる?(あるいは、留まる?)。