厳しい時代に妙薬を

この職場にも3月末の大人事の波が来た。

なかなか仕事のできる人間の集まりかと思えば幾人かが呆れ返っている。

公然と上役を批判するちょっとしたアナーキーである。

人事を司るのもこれまた優秀な人間であるが、

人の心のざわつきを作る力も強かったと見えて、今回ばかりは少し株を下げた。

さしずめクラス替えの雰囲気はこんなものであったろうけれど、

知恵の付いた大人を動かすのは容易なことではない。




雨季が明ける頃には首長選挙があり、

知っている人が出馬するということであった。

無投票にはならないと思っていたが、やはり対抗馬が出た。

こちらも気のいい人である。

ところが先に出た方は取り巻きが悪い。

人の善悪を見抜けないと政治には向いていないだろう。

人柄と政は別である、とマキャベリという好々爺は言う。

後から出た人の誹謗も多い。

ある意味二人共負ける。

だれも救われない陶片追放に駆り出されるようなものだ。

ともすると私が今している仕事にも差し支えが出てくるわけだが、

当分の間、あらゆる会合が政治的なものになり、しばらくは病欠である。