手の内

ひさびさに弓の話題。

道場のお歴々からさんざん手の内を言われて、なおそうかどうかずっと考えてた。

良いものは変えないのが一番だが(ロシアの宇宙船の操縦席が旧ソ連から変わらないのはそのためだ)、

調子がいいときでも100射八割も中らなかったから思い切って教えに従うことにした。

結果?うーん、マメできた。

嬰児のような手のひらが自慢だったのに、虎口と小指の付け根にマメ。

加えて矢枕を切って出血。

何年弓ひいとるねん、という左手。

何かを変えるときには仕方ない。

多少からだが痛くても我慢しよう。

壊れるか飛躍するか、二つに一つの道を歩むのがいいのだ。

ぬるい低空飛行を続けるよりも、体壊れてもう二度と弓引けなくなったほうが人生楽しい気がする。

単に「もういいや」と思ってやめるんじゃなくて、

トミージョン手術しても球速が戻らないから引退する、

という肉体的な理由のほうが案外諦めがついて次ぎのことをやる気になるだろう。




閑話休題

さいきん愛用肥後蘇山の弓力を計ったら17キロに落ちてた。

グラス弓で2キロも弓力落ちることもあるのかとちょっと勉強になった。

グラス弓といっても木質部が多いことが影響しているんだと思う。

そのせいか矢飛びも心持ち落ちた気がする。

弦音に的中音がかからなくなった。

去年はキャポンだったのに、キャンポン、になった。

もう買え替え時かなと思うけれど、先日買った蘇山21キロがすぐに裏返る。

捻りすぎ。

以前知っている人の手の内エッセイが雑誌に載っていたが、

大学時代にかの高名な先生が師範に就いており、指導の八割は手の内についてだったらしい。

その人は二〇射皆中を楽々とする(ように見えてならない)人なので、今度話を聞いてみようと思う。