お誉めの言葉

「先輩はなんでもっと誉めてくれないんですか…?」

入会して四週間の新米弓道ガールがささやく。

甘い、だからお前は甘いのだ!ドモン!!

上手い下手なんてちょっとやそっと練習したくらいで分からん。

ましてや週に一二回の練習でちょろっとやったくらいで誉めて貰おうなどと思うな!!

と思ってたけど、

今日のゴム弓練習中では、ばちんとゴムが切れて弓道ガールが顔を払ってしまった。

やばい…

泣きそうな顔しとる(新米っ子は一九歳)。。。

「実際の弓で顔払ったもっと痛いんや」

「こんなことで凹んだらあかん」

「みんな最初は下手なんや」

いや、あかん…

やっぱり泣きそうな顔しとる。。。




それでもめげずにゴムを替え替えして練習。

背筋を伸ばさせ、物見入れさせ、会で右手を寄せる寄せる。

ほ~

でもさっきよりしっかり引けとる。

ばちん!っと今日一番の離れ。

こいつ根性あるな。

「うし、今のは良かったで!」

「ふふんー。もっと誉めてください、先輩」

くっそなんだこのやりとり、

若干楽しい。