脂性の人間の意見

さいきん強い弓ひいてない。

雨がちの天候に加え、俺が住んでいる地方の湿気が半端無い。

常時六〇%アップ、そりゃ竹弓も柔らかくなるわ。

裏反りの管理が大変で、合成弓ですら柔らかく感じる。

Shit

気づいたらMy弓の一張り秋田白鳳の内竹が浮いてた。

引いてもいないのにどうしろと?

この湿気がつづくようじゃあ、今年は神無月に入るまで新弓は買えないだろう

ちょっと残念。

枯れた弓が欲しい。




よく枯れた弓というけど、枯れるというのは竹の油の抜けた状態のこと。

慣用表現で「脂ぎった」とか、「脂の乗った」とかいうことを、たとえば中年のバリバリのおっさんに言ったりするけども、

多分竹弓についても同じ事はいえる。

「枯れた」というのは竹弓の油が抜けた状態。

肉月の部首はないけどね。

枯淡の境にある竹弓はざあざあぶりの雨の日にとてもしなやかになる。

矢勢がよくなり、弦音がしっとりし、ぺたんこだった裏反りがびんびん、引き心地柔らか。

あんた、この間でひいひいゆうとったやないか。

って見違える変化を見せるのが枯れた竹弓。

若い弓は引いてもいないのにびんびんで管理が大変、突然弦張りして引くのは恐い。

気候の変化に弱いのは若い証拠だぜ。




思うんだけど、日本人が竹を弓の材料に用いたのは、竹と人が近しい関係にあるからだったんじゃないか。

だって、竹弓は若かったり枯れてたりするじゃん?

もし日本人がロングボウよろしく丸木弓を使い続けていたら、若いとか枯れてるとかいう言い方はしいで、

むしろ、これは壊れてるかあれは壊れてないかっていう基準で弓を見ていた思う。

竹は繊細だけど擬人的な素材だったんじゃないかな、ってたまに思う。

これ、脂性の人間の意見。




まあ、それはさておき。

先週近所のクラブに行き、若い女人を軟派。

おっ、かわいい、と思いつつメアド交換したものの、メール送っても返信無く、今日に至る。

若い枯れるといいつつも、まっ、こんなもんですけどね。

その話を女友達にしたら、相変わらずやんちゃだね、だってさ。

そう、きっと俺は若くはないけどやんちゃなんです。