なんともはや

大学院に落ちてしまった。

落第、秋口にはさむざむしいほど悲愴な響き。

実りある秋旅行の計画が烏有に帰す。

なんともはや困ったことになった。

とともに、冬を乗り越えるだけの活力を得た気がする。

今やっと長い眠りから醒めたような気さえする。




雪解けに、朱になる名前を浮かべつつ、行間の宙に黒の架け橋。

科挙の合格発表では、合格の上位者を中心すえて、

そこから円を描くように名前をつれづれと朱書きしていったという。

宮崎市定、『科挙』、中公文庫)

来春のそれを夢見る。