引越し準備中

結局引っ越すことにした。

いまは荷造りに手間取っている。

問題なのは今までむやみに買い込んできた本だ。

本棚にすきまなく本が詰まっている光景は一種壮麗なものだが、

これを一息に移動させるとなると大変な労力が必要である。

さしずめ山を動かすがごときもの。

数えたら四〇〇冊くらいある。

普通の図書館などにある本の数は十万冊くらいかもしれない。

だから四〇〇冊などというのは大した数ではない。

かのように聞こえるかもしれないが、うんざりするほどの数なのだ。

字引もあわせると数百キロに達する。

はずなのである。

運ぶときに腰が抜ける。

かもしれない。





しかし、あらためて全てを詰め込んだダンボールに見ると、

こんなにものをもっていたことに驚くのである。

そしてこれが自分の持ち物の全てだと思うと、

眼前に広がるごみごみした光景も感慨深い。





そして本たちを飾る本棚も解体し運ばなければならない。

これも大掛かりだ。

ベンチプレス台やバーベルも運ぶ。

これだけでも百キロ以上あるのに。

昨日の深夜から続く作業は終わりが見えず辟易している。

体の節々が痛い。

痛いのだ。