百科事典
この世のことが何でも分かる百科事典 ついに人類の知が我が家の本棚にやってきたのだ もう後戻りは出来ないのである。 ためしに”象牙”で一項引いてみる なんでも、アフリカゾウは雌雄問わずその全てが象牙を持っているそうだ インドゾウの場合、雌の牙は雄のそれに比べて小さい セイロンゾウは両性共に1%以下の確率でしか象牙を持っていない そして象牙はその特異性のため骨と牙の中間的な位置に分類される 骨より気泡が小さいがために磨き上げたときの美しい輝きがあり、 その高い繊維質のために硬度で優れる骨よりも折れにくい。 うーん、この事典はまったりとした未知の情報に溢れている 感嘆と驚愕の入り混じった悩ましげな声が、 その新知識による忘我でわずかに開かれた口から間断なく漏れ出す。 うーん、うーん、うーん。