胃カメラ その後

胃カメラの写真が現像されたので、病院を訪ねる。

自分の体内の画像をみるのはちょっといやなものである。

先生に説明を受けながら写真をスライドで見ていくが、

十二指腸の色が著しく変色しているのが素人の自分でも分かる。

通常の色合いは皮膚とほぼ変わらない肌色なのだそうだが、

私の十二指腸は赤黒くただれているのだ。

いわばやけど状態である。




そのようなひどい状態に胃腸が陥ったのには、そもそもはストレスが原因なのだそうだ。

医師からは「自分にとってのストレスが何なのか、はっきりそれに向き合って考えることが大切」、

との助言を賜る。

ふむ、吾輩にとってストレスとはなんぞや。

それが曖昧なままなので私は二度も潰瘍を患うことになったのだ。

ストレスを感じる瞬間はあるはずだ。しかし、それは具体的に何なのだろう。

それを取り除くことが大切なのだ。

「職場で嫌いな上司が自分のデスクの斜め前でたばこで吸っていたため潰瘍になった女性もいる」、

と医者は言った。

そのような場合上司を取り除くことは出来ないので、彼女は煙が届かないように、

かつ上司が見えないように斜め前の位置に扇風機を置いたそうだ。

そして彼女は二度と潰瘍にかからなくなった。

原因も解決のきっかけも実は些細なものなのである。




そして最初に立ち返り、一体私のストレスとは何なのであろうか。

しかしよく考えると選択肢は極めてシンプルである。

勉強か、人間関係か、自分の性格か。

原因はおそらくそのどれかだろう。

私はストックホルムで培ったブレインストーミング方法をもってこれから原因を追究してみようと思う。