ブックオフ

最近私は三日に一度という極めて短い間隔でブックオフに通っている。

神田神保町で古本屋をめぐるのも悪くはないが、

いかんせんあの界隈の店主のじじいたちは本に対して目が利きすぎている。

つまり良い本にはそれ相応に吹っかけてくるのである。

多少値切れないこともないが、私同様じじいたちも頑固なのである。

そんなとき一筋の光が…

そう、現在急成長中のブックオフである。

古本屋とは思えないほど輝く本たち、深夜まで営業しているという夜型人間志向、

そして極めていい加減な価格設定、高校生かと思われる若い人ばかりが目立つ店員、

むやみに高い洋書、なぜか子供の目に届く場所にあるアダルトコーナー、

おそらくコストダウンのためであろう、すべての要素が資本主義的である。

私は今日もそこへ本を買いに行ってしまった。

もちろんポルノではないよ。

横田洋三(国連大学学長特別顧問)の『日本社会はどこにいく』、

そして丸山眞男(二十世紀の最高の{と私は考えている}政治学者)の『日本の思想』、

いずれも文庫本ではあるが百円である(税抜価格)。

そしてJamiroquai(ダンスミュージック中興の祖)の『dynamite』、

これはCDなので二百五十円。

くどいようだが税抜き価格である。

ただいま読書中。




ブックオフはとにかく安い。

まるでこれでは私がブックオフのさくらに思われるかもしれない。

いや、しかし私は自己の認識を連続して表明することを厭(いと)わない。

私はブックオフを皆さんにお勧めする。

きっとブックオフが神保町にできるなら、

百米超の高層マンションができる以上に地元では強烈な反対運動が起こるはずだ。

頑固なじじいたちも戦々恐々するにちがいない。

そう考えると胸がすっとする。

私も人間が小さいなぁ。





いずれにせよ私の知的好奇心を刺激してやまないそんなブックオフが、

自転車使用時の私の行動範囲に二軒も存在するので、

よく勉強の合間などに訪ねてみるのが最近の気晴らしである。