人の目に見えない生き物

目に見えない生き物
それが文化だ

異論はあるであろう
それは甘んじて受け止める
それでも私が考える文化とは目に見えないものなのだ

確かに目に見える文化がある
博物館に行けばよい
そこには昔の文化が「展示」という美しい名目で目の前に広がっている
しかし、我々が今の生活で知りえないような文化は、
死んでいるか、消え去ってしまっているのである

文化とは生き物だ
それを感じることは出来る
例えば、日本人が箸使うのがそれである

だが、我々はそれ自体を見ることはできない
「箸を使う」という動作も、人の無意識の根底にある文化感がそうさせるのだ
言うなれば、それは超意識的、形而的のものなのだ

それが各個人、各民族のidentityを形作るものなのである
そして今、日本文化は音を立てずに内側から静かに、きしみ始めている