「彼の席は、もはやずっと前から定められていて、
そこには鉄の絞首台が備えられ、鎖と鉄の軛がぶらさがっている。
宿命が彼をそこに連れてゆく時、じょうご型の不吉な穴は、始めて、
いまだかつてしらなかった美味しい餌食を味わうことだろう、
また彼も、始めていまだ見たこともない心地よき棲家をうち眺めることであろう。」
(
ロートレアモン、『マルドロールの歌 《第二の歌》』、
栗田勇 訳)
生々しく、不気味、かつ解明
不能なポエ
ジーを残していった
ロートレアモン。
西洋人形や蝋燭の燃え滓までもが生命を付与されたように震えだす詩。
詩人の二十四年の一生は小箱のひと隅に秘められた小宇宙(コスモス)。