矛盾のなかに真理ぞ眠る

貝原益軒は養生訓を著わせり。

しかれども謹厳なる禁欲を説き諭す本人が多淫であったそうな。

真実は奇なるものかはいざしらず、そのことにおかしみあり。

かえって二律背反すればこそ、その訓戒に傲慢と説得の力これありと思ふ。

こは映日果の木を呪ったキリスト像に信仰を見出したといふ、森有正の心持なるか。

矛盾の中の真実とは、いとおもしろし。