図書館

近頃、図書館の厖大さを思い知る。

自分の蔵書群などは大海の一滴、

あるいはファッションモデルの一流の細足と生白い大根足、

より卑近に貶めれば、月とすっぽんといへり。

隠喩的には、象とアリ。




象の視点からはアリは見えず、アリも象を知覚することは能わず。

この二つの生き物は一生、相知り合うところなし。

だのに両者は大小の直喩あるは隠喩として引き合いに出されること面白し。




こは図書館と蔵書郡との隠喩なり。

卑小な蔵書郡はアリの一列であり、

図書館とは絶対的に超越の存在しない差異をそこに具備する。

然るにその差異に気づいたこと素晴らしいとへり。

象を見たアリといへり。