天地逆転

昨日から突然Real Playerで動画が逆さまになった状態で再生されるようになる。

他のプレイヤーだと大丈夫なのだ。

きっといやなウイルスでもついてしまったのだろうか。

もしかすると私が猥褻な動画をこっそり見てしまったことが、

Real Playerの怒りに触れてしまったのかもしれない。

たとえ深夜に家族の目を盗み闇夜に身をまぎらせて見ていても、

それを再生するのはこのプレイヤーなのである。

もし私がリアルプレイヤーを重宝していて、

これが唯一の動画再生の望みであれば、ただひたすらに怒りが鎮まるのを祈るしかない。

しかしReal Playerは我がラップトップ上における唯一の備え付けのプレイヤーではない。

吾輩にはWMPVLCもあるのだぞよ。

一時的にリアルプレイヤーには放置プレーの処置をとるのである。

こういうときに一神教ではない宗教(つまり多神教)のユーティリティーとの相似を体感する。

八幡大菩薩がだめならば、まだ次には阿弥陀如来が控えているのだ。




それはともかく、なぜ逆さまに動画が再生されるのだろうか。

トラブルシューティングには「万が一、お客様のプレーヤーの映像が逆転したら」とかいう項目はない。

真面目な話、ポルノではなく普通の映画を再生していたのにもかかわらず、

くるり、と映像があべこべになったのだ。

絶対に何かがおかしい。

しかもそれはわたしの108個の煩悩以外に原因がある。

リアルプレイヤーの映像を逆転させるウイルスなんてあるのだろうか。

理由が謎のままというのはきわめて居心地の悪いものである。

それはたとえるなら、

今日の昼食に出てきたスープの隠し味を、

結局隠されたままでいくら懇願しても教えてもらえないような未消化感である。

気になるのに分からないもどかしさ。

教えて欲しいのに知ることの出来ないおあずけ感。

それはつまるところ、今どんなポルノよりも私を刺激している。