任天堂DS

家庭教師に行っている中学生の子どものところで、
いつも休み時間に任天堂DSの脳のトレーニングゲームをする。



その中に答えを声に出して言うゲームがあるのだが、
私だけそのゲームに異様に時間がかかる。



その名も「後出しジャンケン」。



これは、画面に表示されるグー・チョキ・パーに対して、
指示に従って勝ったり負けたりするゲームである。



グーの絵が出てきて、「負けてください」といわれたら、
チョキを出す。

パーの絵が出てきて、「勝ってください」ときたら、
これまたチョキを出す。

そのようなゲームなのだ。






しかし、問題なのは、
毎回のように、私の声を、DSちゃんが、きちんと、認識してくれないのだ。
特にパーを。










たとえば…













任天堂DS:「勝ってください」
       (グーの絵)




私:「パー!」




任天堂DS:「もう一度言ってください」




私:「パー!!」




任天堂DS:「もう一度」




私:「だから、パー、だってば!」




任天堂DS:「…(無反応)」









機械と格闘する滑稽な私の姿に大笑いする生徒を横目に、

私は様々な声色で戦い続ける。











私:「パー(破裂音で)」




DS:「…(無反応)」




私:「パー(耳元でささやくように)」




DS:「…(無反応)」




私:「すべてがパーなんだよ!(破産した投機家のごとく)」




DS:「…(無反応)」





何度も様々な音程・シチュエーションから攻めたてても、

愛しのDSは、ウンともスンとも反応してくれない。

















しまいには、

任天堂DS:「あなたの脳年齢は59歳です」




私:「…(ぼう然)」




生徒:「ははー、先生って”grandfather”じゃん」
   (覚え立ての単語を使う生徒)





私:「ぬーーーーー、ぬぬぬ」






























DSよ、おぼえてろ つД`)・゚・。・゚゚・*:.。



-完-