木は紅葉で色づいていた。
夕日に照らされると、真っ赤に輝くのである。
それが好きでたまらなかった。
その瞬く間の魅力は、すで散ろうとしている。

そして残された落ち葉は、その憂鬱さでもって人を感慨にふけさせる。
しかしそれは、地の底にあるものを隠してしまう。
それを取り払うことは、省みることなのだ。
どんなに多くの葉っぱでも、どかさなければならない。
もし次の秋に、違う赤を見つけたいのなら。