文学碑
携帯の写真なので見づらいかも。 高村智恵子が入院していた品川のゼームス坂病院の跡地にある文学碑である。 『レモン哀歌』にちなむ石碑には常に、すずしく光るレモンが供えられている。 ちなみにゼームス坂とは明治時代の雇われ外国人のジェームスに由来する坂名。 その当時、品川沖の野菜はジェームスの屋敷近くまで運ばれていた。 しかしそこから先へと抜ける坂の勾配があまりに急なために、坂の手前で青物市場は営まれていた。 ジェームスは、そこで野菜を買い付けた人々が急坂に四苦八苦しながら帰途に就くのをつぶさに見て、 私財を投じて勾配を緩やかにする土木工事を行ったという。 ゼームス坂はそんな優しいエピソードに裏打ちされた名前なのだ。 未だに坂の手前一帯には青物横丁という地名が残されている。 そして周辺には旧東海道や海晏寺(北条時頼開山)の名所旧跡があり、品川の歴史が凝縮されている。